大学からヨットを始めて、モノになるものでしょうか?

 高校時代は特に運動部にも入っていませんでしたが、大学からヨットを始めて、しかも明治大学の体育会というような場所でついていけるでしょうか? せっかく入部したのに4年間まったく試合に出られないということになってしまうのでしょうか?

大学から始めた選手が全日本タイトルを獲ったケースもあります。

どんな競技スポーツでも同じことですが、競技経験はあるに越したことはありません。特に、ヨットのような複雑な道具を使う競技では、幼い頃からヨットに触れ合うことは競技力の面で非常に大きなアドバンテージになると考えられています。
 しかし、幸か不幸か日本においてヨットという競技は、サッカーや野球などに比べれば、極めて競技人口の少ない未普及競技です。ジュニアやユース世代で国内トップクラスになったとはいっても、それは極々狭い世界での実績にすぎないということもまた一つの事実です。
 事実、明治大学ヨット部では、大学からヨットを始めた選手が、全日本の個人選手権で優勝したケースは何度もあります。また、経験が物を言うとされているヘルムスマン(スキッパー)というポジションでも、未経験者が関東水域の最優秀選手を獲得したようなケースが、本学ヨット部では過去に数え切れないほどあります。

真の実力主義は、チャンスが平等に分配されてこそ。


 スポーツ推薦のシステムを採る他大学のヨット部では、上級生・下級生を問わず、経験者中心のチーム編成をしたり、ヘルムスマンを経験者で固めるなどの方針を採り、それを実力主義と謳うチームもありますが、明治大学ヨット部ではそういう方法論を採用しません。
 なぜなら、本学ヨット部では過去に何度も、未経験者が経験者を凌ぐ実力をつけたケースを経験しているからです。セレクション部員で主要メンバーを固めるというやり方は、確かに手っ取り早く結果を出すには適した方法かもしれませんが、それはあまりに近視眼的な実力主義であると私たちは考えます。真の実力主義とは、チャンスを平等に分配した上で、埋もれた才能の萌芽の可能性をできるだけ担保することで実現できるものだと考えます。

体力勝負ではないヨットレースという競技


 ヨットレースという競技は、ラグビーやアメフトのように激しいコンタクトがあるわけでもなく、陸上や水泳のように身体能力の限界を競うような性質の競技でもありません。もちろん、ある一定の身体的能力は必要となりますが、ヨットレースで要求される身体能力は、長距離走のように、6~7割程度の力を継続的に長時間発揮し続けるための持久力です。
 ですから、高校時代に文化部などで活動していたような人でも、大学からきちんとした体力作りを始めれば十分に間に合う性質のものなので心配ありません。